HACCPコラム

日本の食文化を世界に発進~その為に~

【食品/原材料の安全性確保と維持に向けた取組み~世界、日本の動向】
すでに前回、お話し致しましたように日本だけではなく海外に於きましても食の安全確立の為に一層の努力がなされる傾向です。
そうでなければ相手にされないからです。
しかし困った事が起きました。それは食品安全確保の為のスキーム(企画/体系)を企業それぞれの判断基準で取得した事から始まりました。
スキームには食品流通業、水産、畜産業、農業それぞれに即したスキームがございます。
また、そのレベル(要求される内容)も多少の差異がございます。
自分達が取得したスキームも異なるスキームを取得したお客様からの要望、要求が有れば応えなければなりません。
そこにはコスト、時間等が掛かります。
そこで世界で共通のスキームを望む声が各地(各国)から上がりました。
それに応えたのが世界チェーンストアー協会(TCGF)です。
彼らはGFSI(グローバル食品安全イニシアティブ)を立上げスキームのグローバル化(絞込み)を図り、その結果、選択されたスキームは
①DutchHACCP(B);オランダ 
②SQF2000(level;2):主にアメリカ、オーストラリア
③IFS、BRC、FSSC22000:主にヨーロッパ中心です。
この動きに賛同した大手流通企業は数多く
例えば、ウォルマート、クラフト、ダノン、ネスレ、ユニリーバ、ジェネラルミルズ、マクドナルド、コカ・コーラ
日本ではイオン等、名だたる流通大手が賛同しております。
これらグローバルスキームに対し食品業、農業、水産畜産業はどの様に応えて行かなければならないでしょうか?
また、2020年東京オリンピックを控えている日本はGFSIに承認されたスキームは何もありません。
日本の食文化である『だし文化』は海外のスキームに耐えられるのでしょうか?
これを危惧した農林水産省は昨年、日本食品安全管理規格:JFS-E-Cを発表しました。
日本は東京オリンピックの食材調達を見すえ、この企画をGFSI承認規格に向けて取組んでいく話も聞いております。
是非とも頑張って頂き日本のオリンピックは日本の食材で世界の皆様を『おもてなし』したいですね。
今後、更に考えて行かなければならないことは、動物愛護(アニマルウェルフェアー)、バイオテロ対策(フードディフェンス)、等です。
文化の違いはあるにせよ、食材調達がグローバル化された現在、日本から発信する食材はこれらの事も考えて行かなければならないそんな時代です。
がんばれニッポン!

国際HACCP同盟認定リードインストラクター
農場HACCP認証審査員
藤巻哲也

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